ザ・コミットメンツ (1991) »レビュー

最も幸福な映画体験

100点 2007/11/11 by 次男坊

映画祭で観て、ロードショーで観て、名画座で観て、DVDで繰り返し観て、何度も観ているのに色褪せない愛すべき作品です。

忘れもしない1991年の東京国際映画祭、敬愛するアラン・パーカー監督の最新作という以外の予備知識は一切なしで観に行きました。
上映前にアラン・パーカー監督の舞台挨拶があり、監督が登壇すると客席から歓声が起こりました。興奮の中でソウル・ミュージックにのって映画が始まり、導入部でようやくバンド映画だと気付いた次第です。

音楽のカッコよさもさることながら、アラン・パーカー監督のコメディ・センスに脱帽です。主要キャストのほとんどが演技経験のない素人でありながら、バンドメンバーのキャラがやたら濃くて台詞の一言一言に笑いが起こります。特にオーディションとジミーの“独りインタビュー”は思い切り笑いのツボにハマりました。(未だに思い出しただけで笑ってしまいます・・・。)
テンポのいい展開とノリのいいソウル・ミュージックに心を鷲掴みにされ、当時の音楽事情を反映した小ネタの連続に場内は爆笑に次ぐ爆笑。演奏の場面では、曲に合わせて体を揺らす観客の姿も見られ、劇場は正にライブ会場の熱気でした。

決してハッピーエンドでない、と言うよりバンドとしては最悪の結末なのに、これほど爽快な気分にさせてくれるのはアラン・パーカー監督の語り口の妙と熱いソウル・ミュージックのお陰ですね。この映画をきっかけにソウル・ミュージックに興味を持った人も少なくないと思います。私もその一人ですが・・・。

低予算でスターなどいなくても、私にとって一生忘れられない最高の娯楽映画であり、映画祭の溢れんばかりの熱気の中でこの作品の興奮と感動を多くの映画ファンと共有できたことは最も幸福な映画体験として鮮明に記憶に刻まれています。

 

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