ミクロの決死圏 (1966) »レビュー

注射に備えよ

80点 2007/10/14 by くりふ

1966年の制作、を考えれば、けっこうな完成度と思います。
何より、遊び心や余裕を感じられるのがよいですね。
原題がFANTASTIC VOYAGE。空想的な航海、であると、
タイトルが宣言する通りに楽しめばよいと思うのです。

機密情報を持った要人が、脳出血を起こし昏睡状態となり、
手術が難しいその部位に、潜水艇と医師団をミクロ化して
送り込み、内部から治療しよう、と試みるお話。

ミッション遂行型の展開、と言うのでしょうか、
脱線するような描写はなく、目的達成のために淡々と、
だがテンポよく進みます。エヴァに乗りたくない、と
シンジ君みたいにごねることもありません。しかし、
ミクロ化の工程は丁寧に描かれ、嘘として説得力あります。
「注射に備えよ」と、実は笑える指示の元、潜水艇が首の
血管に注入されるまで、映画全体の1/3を使ってます。

人体内はチープなつくりですが、自分がミクロになって、
周囲を見ることの驚きを想像すると、その素材として充分、
機能していると思います。血管の内で治療担当の医師が、
人体の不思議に感嘆して「生命に満ちた海」と呟くのですが、
ちょっと共感しちゃいましたね。

面白いのは、医師団の敵となるのは、白血球や抗体など、
本来、人間にとって味方であるはずのもの。この場合、
医師団の方が異物で、排除すべき存在なんですよね。
サイズが変わり、属性も変わってしまう人間たちの試練。
治療を外で見守る指揮官が、砂糖に集る蟻を潰そうとして、
思い止まるシーンがなかなか効果的でした。

マジメなふりして嘘をつく物語ですが、マジメなふりして
お色気要員も仕込んでいます。ラクエル・ウェルチ姐さん。
ピッチリなウエットスーツを使った隠しエロな描写が、
何箇所にも仕込まれていて、オトコならリプレイ必至です。

というわけで、超個人的ウェルチ姐さん強化キャンペーン、
その1、の報告でもあるのでした(笑)。おそまつ。

 

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