裏窓 (1954)
»レビュー
殺人事件はあったのか?
2007/06/15
by
理屈屋
この物語、面白かったです。
足を折って動けないカメラマンが、裏窓から見えるアパートを覗いて、どうも殺人事件らしい状況に遭遇してしまう、ってな話です。
情報が非常に限定されていて、ほとんどその男の妄想なんですな、観客が与えられる情報が。
なので、そもそも「殺人事件は本当にあったのか?」
ってな疑問がずっと続くことになります。
ですが、ラストの15分くらいで、緊張が一気に高まるんですよ。恐いと感じるくらいなのですが、それは「殺人」という恐ろしい出来事のせいではなくて、「真実が確かめられない」という不安定な心理状態で、破綻的状況に対応しなければならない、ということの圧迫感であるようです。
「夢なら覚めてくれ!」的な、夢であることを願いつつ、取りあえず現実として対応せねばならない恐怖、とでも言いましょうか。
そう、遊び半分な気持ちで始めたのに、命がけの冒険をしなければならなくなった時の恐怖、とでもいうと、ある程度表現できた気もします。
微妙なハズでありながら、激しい動揺を生む絶妙な心理劇、この作品が傑作と呼ばれる所以はその辺りにもありそうです。
グレース・ケリーさんの美しさの他にも。
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