街のあかり (2006)
»レビュー
人生への希望
2008/05/06
by
メイプルタウン
「浮き雲」、「過去のない男」と並ぶフィンランドの名匠、アキ・カウリスマキ監督の“敗者三部作”の完結篇。主人公のコイスティネンが夜警として巡回する夜の町、裏社会のミステリアスなやくざたち、ファムファタールの危険な香りを漂わせる美女ミルヤ、強盗とそれを取り締まる警察機構…フィルムノワールのような世界が構成されていて、三部作の中では最もドラマ性が高い作品です。
カウリスマキ監督の演出方法は相変わらずで、役者たちの能面のような演技と、感情を押し殺したような抑揚のない台詞回しが、映像に膨らみを齎しています。よって、その寡黙な世界を通して観客たちはイマジネーションを刺激されるのです。
鮮烈に彩られた虚飾に満ち溢れた夜の街。その人工的風景の中を孤独な心を抱いて徘徊する主人公コイスティネンは、絵画の世界を彷徨する操り人形のように見えてきます。しかし、それが、エンディングの朝日の下で重ねられた手に、希望と同時に血が感じられて感動させられるのです。90分にも満たない作品ですが、長尺の超大作に劣らない感動の超大作です。
6人がこのレビューに共感したと評価しています。
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Re: 人生への希望
2008/12/07 by
しゃんと同盟07
メイプルタウンさん、こんばんわ。
やっと観ました、と書いたとたんに
不具合があったようで・・・。
カウリスマキの作風は結構好きで、
「浮雲」以来のファンです。
北野武の「キッズ・ノーリターン」のときの
編集に似たカットがあり、笑えました。
彼等は互いに考えることが同じなんでしょうか。
カウリスマキの描く街もなぜか、なつかしさを
感じる私です。 -
しゃんと同盟07 さん、今晩は。
2008/12/08 by
メイプルタウン
北野武の「キッズ・ノーリターン」を観ていないので詳しいコメントが出来ません。ゴメンなさい。でも しゃんと同盟07さんもカウリスマキがお好きなんですね。
「浮き雲」を含んで、敗者三部作とも呼ぶのでしょうか(?)日本も不景気風が吹いていて、こんな時期にカウリスマキの映画を観るとよけいに肌身に沁みます。
でも悲観的なのに世界を信頼する映画作家だけに観客を幸福にしてくれるのですよね。
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