アヒルと鴨のコインロッカー (2007)
»レビュー
新鮮な驚きに満ちている
2007/06/27
by
kusukusu
これはミステリーなのか? 青春ものなのか?
魅力的な話だけど、回想が多いし、一見、映画としては成立しにくい話のように思えるのに、絶妙のバランスで映画として成立している。
これは、過去の話を語るのに、説明にたよらず(モノローグやナレーションは一切、ない)、「〜という人がこういうことをした」「〜という人がいた」ということを、その人物に出会った人が模倣したり影響を受けたりしている仕草や行動で具体化して示していることから来るのではないだろうか?
実際、映画のようなフィクションの世界だけでなく現実世界でも、ある人物のキャラクターというのは、まったく独立して、世界でその人物がひとりだけ、ポツンと存在していて成り立っているわけではなく、こういう人物とああいう人物とがいて、それぞれが影響を受けあったりして成り立っている。そのような、影響や模倣で人物が成立していく・・ということは映画的なことなのである。
そう、たしかに小説としては優れているのかもしれないけどこういう回想が多い話は映画には向いていない(映画的ではない)のではないか・・と一見、思いがちのストーリーが、「映画的」ではないと思えたものが、実はすごく「映画的」なことだったという、「映画的」ではないと思えることが「映画的」に成立していくという新鮮な驚きにこの映画は満ちている。
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