夕凪の街 桜の国 (2007)
»レビュー
戦争が終わっても…
2008/01/04
by
taiyaki
『夕凪の街 桜の国』は,原爆を投下された広島の町の過去と現在を背景に,親子愛,兄弟愛,男女の恋愛を悲しくも美しく描き出した映画です。
『夕凪の街』と『桜の国』というふたつのお話を通して,皆実(麻生久美子)と七波(田中麗奈)という二人の女性が,50年という歳月を超えて様々な愛を語り合っているように感じました。決して,ヒロシマは過去の話ではないのですね。
二人をつなぐ髪留め。七波の母親の京花(栗田麗)が皆実のおとうと旭(伊崎充則)から皆実の髪留めを受け取るシーンでは思わず泣けてきました。髪留めが皆実の思いを現在へとつなぐバトンのような役割をしていました。
良い映画では小物が登場人物の心情を表す手段として象徴的に使われていることが多いですが,この映画ではこの髪留めが効果的に使われていました。
『夕凪の街 桜の国』は,戦争そのものの残酷さだけでなく,その後に続くたくさんの苦しみや悲しみを私たちに静かに教えてくれる作品です。
多くの方に観てもらいたい。そして,あのような悲劇を二度と繰り返さないためにも,日本人が本気になって平和について考えるきっかけになってくれれば良いと思います。
この映画は,こうの史代さんの原作をほぼ忠実に映画化しています。心に残る言葉の数々も原作の中にあります。これだけの内容をわずか100ページ足らずの漫画の中に込めるとはすごいことだと思いました。ぜひ原作も読んでみてください。
9人がこのレビューに共感したと評価しています。
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Re: 戦争が終わっても…
2008/01/06 by
のびた
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> この映画は,こうの史代さんの原作をほぼ忠実に映画化しています。心に残る言葉の数々も原作の中にあります。これだけの内容をわずか100ページ足らずの漫画の中に込めるとはすごいことだと思いました。ぜひ原作も読んでみてください。
僕も原作読みました。胸に重くのしかかりますが、文学作品プラス感動を与えてくれる、素晴らしい漫画です。映画は本当にそれを忠実に映像化していますが、それが成功しているのかもしれませんね。僕としては麻生久美子さんを高く評価したいと思います。皆実そのものですね。
孫子の代まで響く、原爆の悲劇を風化させてはなりません。一緒に頑張りましょう!(えっ、何を?) -
Re: 戦争が終わっても…
2008/01/06 by
taiyaki
麻生さんの演技,素晴らしかったです。「夕凪の街」では,頬の涙が乾くことがないくらい泣けました。
この映画を観る一週間ほど前に広島に行き,原爆ドームや資料館などを見学してきたばかりだったので,現実の話としていろいろ考えさせられました。
戦争ほど悲惨なものはありません。本当にのびたさんの仰るとおりです。原爆の悲劇を風化させないためにも,この映画をたくさんの方に観ていただきたいです。
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