スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ (2007)
»レビュー
足長の上に190センチ級の長身が必要不可欠
2008/04/18
by
牧坂満
イタリア製西部劇が全盛期の頃に、東映任侠映画界が高倉健を主人公にして、オーストラリア完全ロケを敢行した「荒野の渡世人」や藤純子主演の「日本女侠伝・真っ赤な度胸花」等を“味噌汁ウエスタン”と銘打って公開されていますので、“スキヤキウエスタン”は三番煎じと言ってもいいでしょう。何故に三番目かと云いますと、“味噌汁ウエスタン”以前に、アメリカ製正統派西部劇をイメージした日活映画の無国籍アクション映画を“鍋焼きウエスタン”と呼んでいたからです。更に高倉健主演の「網走番外地・シリーズ」の「吹雪の闘争」や「大雪原の決闘」、「決闘零下30度」は完全に西部劇そのものでした。
今回の三番煎じになるこの映画は、大量生産されたイタリア製西部劇へのオマージュになっています。特に“ジャンゴ”という名前はイタリア製西部劇ファンならば血沸き肉踊らせた経験があるように、数多くの作品でこの名前が使用されています。
時代考証など全く考慮に入れずに、設定・美術・衣装デザインも荒唐無稽の面白さに輪をかけたような英語の台詞が、混沌をかき回して奇想天外なエンターテイメントに仕上げています。但し、私の主観がかなり入ってしまいますが、日本人にカウボーイ・ガンファイターの役は似合いません。かつて、アラン・ドロンがフランス映画界からハリウッドに進出したときもそうでしたが、カウボーイ・ガンファイターは、足長の上に190センチ級の長身でなければなりません。それにガンベルトをかっこよく見せるためのヒップの筋肉の盛り上がりも必要となるのです。
アラン・ドロンも180センチ級の長身でありますが、Gパンが似合う、ゲイリー・クーパーやヘンリー・フォンダの敵ではありません。よって、「レッド・サン」に出演したときは、スリーピースのスーツ姿でした。だから、日本人には着流しスタイルが一番似合いますので、ウエスタンはご勘弁下さい。
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