サイドカーに犬 (2007) »レビュー

竹内結子 + 松本花奈

80点 2007/12/31 by 星空のマリオネット

サイドカーに犬

鑑賞一回目、深夜に観ていたせいでうつらうつらしてしまい、いつの間にかエンディング。しかし、振り返ってみると娘はしっかり起きて観ていました。
いつもソファで眠ってしまっているのに、こんな遅い時間までよく眠らないでいられたなと感心して、「面白かった?」と尋ねたところ、「面白くなかったら、最後まで観てるはずがないでしょ」と一言のたまい、居間からさっさとフェードアウト・・・

翌日、二度目の鑑賞。
この映画の雰囲気は余り好きではありません。画とか音楽とか・・・
根岸監督の前作「雲に願うこと」に対しても、同じように感じたことを思い出しました。
生理的なものかもしれません。

しかし、「サイドカーに犬」はとても良い映画だと思います。
ヨーコ(竹内結子)のちょっとはすっぱで鼻につく感じがたまらなくいい! という訳ではないのですが、小学4年生の女の子薫(松本花奈)との対話の一つ一つや、だらしない男たちとのやりとり一つ一つに、竹内は何物もないがしろにしない女優魂を見せてくれます。
ぞんざいな立ち振る舞いが目立つけれど、相手を思いやり距離感を測りながらもきちんと語りかける姿を、自ら悩み苦しんでいるひとりの人間として、またひとりの女として、魅力的に演じています。

一方、松本花奈も素晴らしい!
大人たちの脇で静かに佇んでいる少女。ヨーコというチョッと破天荒な大人の女性にふれて、彼女が時にみせる俯き加減のふっとした微笑や、大きく見開かれる目。見ているこちらが「よかったね・・」と救われたような気持ちになります。
大人たちの揉めごとの脇でなすすべのない子供たち。でも、傷つきながらもしっかりと成長していくための準備をしている。

大人と子供ではあるけれど、お互いを大切な人として気を使いあっているヨーコと薫の二人旅。伊豆の海は輝いていた。
それから、だらしないけれどほっとけない男であり、お父さんである古田伸太もそれらしさ十分。他の登場人物もはまってました。

最後に一言。
現在の薫役ミムラの冒頭の横顔が美しい。監督のこだわりなのでしょう。
ラストシーンもはずしていません。
娘が観るのにも、とても良い映画だったと思います。

 

4人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • 竹内結子 主演女優賞

    2008/01/12 by のびた

    > ヨーコ(竹内結子)のちょっとはすっぱで鼻につく感じがたまらなくいい! という訳ではないのですが、小学4年生の女の子薫(松本花奈)との対話の一つ一つや、だらしない男たちとのやりとり一つ一つに、竹内は何物もないがしろにしない女優魂を見せてくれます。
    >

    キネマ旬報の2007ベストテンが発表されましたね。この「サイドカーに犬」は第6位。竹内結子は、主演女優賞を受賞しました。確か日刊スポーツでも取っていたと思います。

    僕は「夕凪の街 桜の国」の麻生久美子の切なさつのる演技や、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の永作博美の一番ひどい目に遭っているのにしたたかな役の演技などが素晴らしかったと思います。

    それから、今年は「西遊記」くらいしかなかったのですが、深津絵里も幅広い演技のできる役者として、高く評価しています。「博士の愛した数式」の時、少し見せたひょうきんな演技に、彼女ならコメディもいけるのでは、と思っていたところ、次回作が三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」だと知り、非常に楽しみにしております。

    星空のマリオネットさんは、お好きな役者さんはいらっしゃいますか?

    それから、「サイドカーに犬」のレビュ−、マリオネットさんのを読んで、触発されて書いてしまいました。どうもありがとうございます。

  • キネ旬のベストテン

    2008/01/12 by 星空のマリオネット

    のびたさん、レスありがとうございます。
    キネマ旬報のベストテンが発表されたこと、知りませんでした。
    今年は私にしては沢山観たと思っていたのですが、日本映画、外国映画あわせて20本のうち、観ていたのはちょうど半分の10本に過ぎませんでした。のびたさんはかなりご覧になっていたのではないかと思いますが、今回のキネ旬ベストテンの印象はいかがですか?
    私には「キサラギ」が入っていなかったのが一番のサプライズでした。映画というより演劇のように見えること(映画表現としてのオリジナリティーの不足?)がマイナスに作用したのでしょうか。竹内結子の主演女優賞は嬉しいですが・・・

    ところで好きな女優さんですが、すぐに思いつく名前はジュリエッタ・マシーナと太地喜和子です。残念ながら、二人とも昔の女優さんでもう観ることはできないですね。私にとっての永遠の女性と言えばよいのでしょうか。

    他に、秋吉久美子や桃井かおりがいいなあと思っていた時期もあります。郷ひろみと共演した「さらば夏の光よ」(昭和51年公開)での秋吉久美子なんて素晴らしく良かった!
    大竹しのぶも好きです。「学校V」でのお母さん役が特に印象に残っています。三田佳子も「Wの悲劇」での演技など本当に巧い。
    平成に入ってからは、のびたさんが挙げられている深津絵里です。最初に観たのは「ハル」だったでしょうか。「博士の愛した数式」やTVの「踊る大走査線」での彼女もいいなあ!

    それから、いま、若手女優に素晴らしい「役者」が揃ってますよね。
    蒼井優、上野樹里、宮崎あおい。
    三者三様、それぞれに魅力的ですが、どこにでもいそうな女の子、上野樹里の演技に対するひたむきな姿勢に特に好感を持っています。

    のびたさんも好きな俳優さんが沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

    PS
    「サイドカーに犬」の意味にはよくわかりませんが、サイドカーに乗って真直ぐに姿勢よく前を見つめているシェパードの賢そうな姿が印象的でした。

  • かなり観てますベストテン

    2008/01/12 by のびた

    すみません。何だか自慢しているみたいですが、キネマ旬報ベストテン、邦洋20本のうち、19本観てます。あと1本は「やわらかい手」だけですが、これは静岡はこれから公開なので、必ず観て、コンプリートしたいと思います。

    ベストテンの内容ですが、「ALWAYS/続・三丁目の夕日」が圏外なのがショックです。後半位にでも入っていてくれると思ったのですが…。1作目の思い入れが強すぎました。悔しいので、もう一度明日映画館に観に行ってきます。多分、読者のベストテンには、入っているんじゃないかな。「幸福な食卓」あたりも。キネ旬2月下旬号の発売を待ちます。

    ちなみに、昨年のキネ旬ベストテン号の読者のベストテンに、僕の感想文が載っております。もしキネ旬をお持ちでしたら、ご覧になって下さい。
    名前はのびたじゃありませんが。

    「天然コケッコー」も大好きですが、まさか二位とは嬉しい誤算です。この山下敦弘監督作は、もう一本、「松ケ根乱射事件」が入ってますね。これからも注目していきたい若手の監督です。

    「河童のクゥと夏休み」が五位っていうのも嬉しいですね。

    洋画はやはり、前評判から「長江哀歌」がくる気はしていました。僕はこの作品、いま一つ自分の中で消化しきれなくて、感想も保留にしていました。あ、自分のベストテンに「バベル」を入れるのを忘れてる。大失敗。

    まだ、映画を見始めた頃、とにかくキネマ旬報のベストテン作品を片っ端から観るようにして、自分では勉強してきたつもりです。あの頃は、キネ旬も権威がありました。でも、評論家の選ぶベストテンは小難しい映画ばかりで、何でこんなつまらない作品が評価されるのか、全く理解に苦しんだものです。キネ旬も砕けてきて久しいですが、今年のベストテンは僕的には納得できます。

    それから、深津絵里さんに関してのコメント我が意を得たりです。「踊る大捜査線」のすみれさん、かっこいいですよね。どうせスピンオフ作るなら、すみれさんでも撮って欲しいですね。一転「阿修羅のごとく」では、かなり奥手の女性を演じてました。それから、しつこいようですが、三谷幸喜も好きなものですから、「ザ・マジックアワー」で、彼女がどんな演技を見せてくれるのか楽しみです。

  • 流石ですね

    2008/01/13 by 星空のマリオネット

    のびたさんはやはり(実質)全部ご覧になっていたのですね。
    ベストテンの印象もありがとうございました。

    私の場合、最近特に日本映画についてベストテンの中の2〜3本は疑問符がついてしまいます。昔はそういうことは余り無かったのですが、歳をとるにしたがって自分の頭が固くなってきたのかもしれません。自分なりのものの見方がはっきっしてきたとも言えるように思うのですが・・・

    昨年の2月下旬号持っていますよ。1977年2月号から途中一時離れた時期もありますが、決算特別号(ベストテン)は購入し続けています。
    昨年の分は先ほど見返してみましたよ!

    「ザ・マジック・アワー」の深津絵里さん、楽しみにしておきます!

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