劇場版 西遊記 (2007)
»レビュー
平均視聴率20%越えが担保した「ユルさ」
2008/10/24
by
としぞ。
噂に違わず「スゴい映画」だった。週刊文春の「きいちご賞」受賞も納得だ。
とにかく、いろんなものが「ユルい」。なんだか整合性の取れない脚本とかもひとつ水準に達していないCGとか笑えない低レベルのギャグとか学芸会と間違えそうな金角・銀角のメイクとか。劇中悟空が「天国へ行きてえか、地獄へ行きてえか」と大見得を切ってたけれど、天竺にお経を取りに行く立場なのに「天国」ってのはないでしょ。キリスト教じゃないんだから。(※因みに、仏教でも「天国」という言い方はあるそうですが、それは香取悟空が言う「天国」とはまったく違った概念のようです。念の為)
そんな、数々のユルさを臆面もなく実行しているのは、ドラマの平均視聴率が20%を超えたことに依るものだろう。つまり、映画化へとつながったその数字的実績は、同時に「何をやってもそこそこの成功は見込める」という「勝ち」を計算させ、「これだけ人気が高ければ何やってもOKでしょ」という、客をナメた意識に翻訳されたんじゃないか、と思うのだ。でなきゃ、こんなにユルい映画は作れないと思うのだけれど。
かつてジョン・ウェインが「良い映画とは」と聞かれ、「映画なんて客の憂さ晴らしさ。だから客の入った映画がいい映画なのだ」と答えたっていう話がある。この「西遊記」は、ネットの情報によると観客数は350万人を越え、興業収入も40億円以上になったようで、J.ウェインの言葉を借りるなら「いい映画」ってことになるんだろうけど、やっぱり映画ってそんなもんじゃないよなあ、とつくづく思う。
それにしても、この作品もそうだけど、ここ数年の邦画は物語を「いい話」やら「泣ける話」に持っていかないと気が済まないのだろうか。「西遊記」なんて、振り切った形での徹底的な冒険活劇にすれば絶対面白くなると思うけど。「感動」って、何も「涙」や「ハートウォーム」だけじゃないだろうに。
1人がこのレビューに共感したと評価しています。
※ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。
-
ジョン・ウェインと香取慎吾
2008/10/27 by
夢寝由来
> かつてジョン・ウェインが「良い映画とは」と聞かれ、「映画なんて客の憂さ晴らしさ。だから客の入った映画がいい映画なのだ」と答えたっていう話がある。
としぞさん
興味深い内容のではあなたのレビューにレスします。
ウェインは二度の離婚、53歳の時私財を投じた「アラモ」の興行的敗北で破産を経験しその後、57歳で肺癌から奇跡の生還を経験しており、なりふりかまわず借金返済がライフワークだったからこその開き直り発言だと思います。
恩師ジョン・フォードからは
“演じようなんて考えるなリアクト(反応)しろ!”
もう一人の恩師ハワード・ホークス監督から
“1作品で二箇所だけ他人にマネ出来ない自分を出せ!”
とアドバイスされた事を肝に銘じていたそうです。それにウェインは監督を始めとするスタッフや共演者に充分すぎるくらい恵まれており映画の目的は常にマイペースで単細胞な勧善懲悪でした。
本作の監督さんにフォードやホークスみたいな指導力があったらもう少しマシな出来になっていたでしょう。
香取慎吾には他の俳優や同じSMAPのメンバーにマネできない持ち味(幅広い特に年少者受けする)があります。
本作はその持ち味を充分に生かせずあれもこれも欲張りすぎているのが不満ですね。
ニセ三蔵法師一行の挿話なんかサービス精神のつもりがまるでワルフザケの域を出ていないし、4人ともノンクレジットにしてもいいでしょうがそれを前面に出したポスターまで作成したり…。
返信を投稿
Copyright©2009 USEN GROUP All Rights Reserved.

![DVD「西遊記 スタンダード・エディション [DVD]」](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41wjDy8H47L._SL75_.jpg)
![DVD「西遊記 59,000枚限定版(2枚組) [DVD]」](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Y1gjmzWbL._SL75_.jpg)




