ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2007) »レビュー

2007年邦画ベストワン!

100点 2008/01/03 by のびた

ALWAYS 続・三丁目の夕日

 続編というより一本の映画の後編という感じ。当初続編を作る予定がなかったにもかかわらず、うまくまとめたと思う。大傑作の前作のネタの受け有り、落ち有り、繰り返し有り。ほぼ同じトーンやテンションで前作のファンの心をガッシリとわしづかみ。期待を裏切らなかった監督、脚本、音楽、役者たちの奇跡のハーモニーが再び奏でられた。オープニングは、東宝の某シリーズの復活を予感させて嬉しい限り。
 家族3人でこの作品2回も鑑賞したが、やはり泣かされた。夕日が何故きれいに見えるか、僕も知っている。

 

7人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • 2回目観てきました

    2008/01/13 by のびた

    この映画の中で、茶川の書いた「踊り子」を読んで川渕が言います。「こんなことは現実には有り得ない」。それは作り手も観客もそう思っていることでしょう。だから、せめて映画の中でそういうことが起こってもいいんじゃないか。甘いと言われようと、僕はそう思います。この映画に泣いた人は、三丁目の人たちの人情に触れ、登場人物たちに幸せになってほしいと願っていたことでしょう。多くの人が気持のよい涙を流せたことだと思います。

    今の世の中、近隣との付き合いが希薄になって久しいです。僕も引っ越してから4年、隣の人とは、挨拶しか交わしません。でも、僕の子供の頃はこうじゃなかった。毎日、近所の人が家へ来てはぺちゃくちゃしゃべっていく。

    人々は近所付き合いが鬱陶しいとは言いながらも、心のどこかで、昔みたいな、この三丁目みたいな近所付き合いや心の結びつきを求めているんじゃないか。そんな気がします。

    鈴木オートが言います。「芥川賞、取ろうが取るまいが、関係ない」。この作品を良いと思う人がいる限り、賞なんか関係ない。

    「ALWAYS/続・三丁目の夕日」は、これまで発表された多くの賞は逃しています。でも、この作品に涙した人たちに、そんなのは関係ありません。この作品を良いと思ってくれた人、ひとりひとりが大切な映画だと思ってくれれば良いんだと思います。

    でも、あと日本アカデミー賞が残ってますね。こちらは何せ日テレでオンエアするわけで、かなり有利だと思うのですが…。あ、そんなのは関係ないんだっけ。

  • Re: 2007年邦画ベストワン!

    2008/01/13 by 夢寝由来

    のびた様、
    私の稚拙なレビューに共感頂きありがとうございます。しかし本作に対する思い入れは私など貴方の足元にもおよびません。

    >心のどこかで、昔みたいな、この三丁目みたいな近所付き合いや心の結びつきを求めているんじゃないか

    同感です。小学生の頃、祖父が他界した時に近所の人が我が家にやって来て葬式を仕切っていて“うざいババアだ”と思った事を覚えていますが
    出生率1.3%未満の今では死後腐乱死体で発見される事も珍しくないし今後も増えるでしょう。
    ヒッチコックの言った“嘘で良いんだよ、たかが映画じゃないか!”に賛成です。

    >賞、取ろうが取るまいが、関係ない
    映画も同様だと思います。
    ハリウッドのアカデミー賞は別名『L.A.市民映画祭』その年の1月1日〜12月31日迄に1週間あくまでもL.A.で上映された作品が対象で全米他の地区で上映された作品は対象外という規定です。受賞には実力以上に宣伝力や政治力も働くでしょう。
    例えばヘンリー・フォンダは“私は映画スターではない舞台俳優だ”という発言や20世紀フォックス社長ダリル・F・ザナックとの確執、恩師ジョン・フォードとの喧嘩別れが記者クラブ(選考委員会)に睨まれていたから永らくノミネートすら対象外だった事は周知の事実です。
    「デルス・ウザーラ」(1975)のアカデミー外国語映画賞はソビエト(現ロシア)との和解或いは日本へのゴマスリと噂されましたね。
    日本アカデミー賞は当日出席可能な映画人のみ対象で代理受賞は不可という妙な規定があるでしょう。日テレがフジの「踊る大捜査線」いかりや長介に助演男優賞を与えたという珍事があったが…
    私は賞よりSHOWに惹かれます。  

  • 夢寝由来さん、勉強になります

    2008/01/14 by のびた

    夢寝由来さんのレビューにしろ、レスにしろ、本当に僕には興味津々です。これらの知識はどこから得られるのでしょうか。やはり、読書量が凄いのでしょうね。

    お恥ずかしいですが、ヘンリー・フォンダ発言や「デルス・ウザーラ」の話など、初めて知りました。映画を観ているだけでは、分らないことが、この世の中にはたくさんあるんですね。

    与えられた情報を、ただ鵜呑みにするのではなく、個人個人がよく咀嚼して考えて自分のものにしていかなければならないのだと、つくづく感じるこの頃です。

    僕は、自分が未熟者だと痛感せずにはいられません。あと残り少ない人生ですが、これからも自分なりに勉強していきたいと思います。夢寝由来さんからの情報提供も楽しみにしています。

    それから、「夢寝由来」さんはどう発音すればいいのでしょうか。僕は勝手に「むねゆき」と読んでます。

    PS あなたをお気に入りに登録したいと思います。勉強になりますので。あなたはお気に入りを作らない孤高の方のようですね。その辺はお気になさらずにいて下さい。

  • 私の方こそ100万の味方を得た気持ちです

    2008/01/14 by 夢寝由来

    >「夢寝由来」さんはどう発音すればいいのでしょうか。僕は勝手に「むねゆき」と…

    のびたさん、なるほどそういう読み方も出来ますね。読み方は自由ですドリームでも
    私は「ナイアガラ」(1953)の主題歌“KISS”の締めくくりのmake may dreams come trueというフレーズが(吉田美和のドリカムがブレイクするずっと前から)好きで特にDream(夢)の響に愛着を感じたからです。いい夢はよく寝ることに由来するから。KISSを歌ったディーン・マーティンDEAN MARTINのスペルには夢が含まれているでしょう!黒澤明の色彩映画は無関係です。
    マーティンでつなげると本作の背景である昭和34年度公開の洋画部門で興行成績1位がこれまた私の好きな「リオ・ブラボー」だったのですね。

    別スレ『監督ばんざい』で鋭い指摘されてますね。今の北野武に面と向って意見を言える人物は宮崎県知事:東国原英夫氏しか思いつきません。
    本作を北野武は(本音は分からないが)おそらくこうメッタ斬りするでしょう
    “たまたま前作が運良く当ったからって話題性だけで引っ張るなてぇーのガキの頃覚えてるけどあんなキレイ事なかったぜ、こんなの知ったかぶり野郎の口車に乗って観るくらいならオイラの映画観てくれよ!”
    少し遊んでみました。あしからず。
    追伸:メンテナンスのためにしばらく休稿します。宜しくお願いします。  

  • 3回目はカット版テレビ鑑賞

    2008/11/22 by のびた

    今回は“お金では買えないもの”というテーマで観てみた。

    鈴木家にやってくる親戚の美加。元金持ちで何不自由なく暮らしていたのに、父親の事業の失敗で、裕福から貧乏へ。当初鈴木家での何もない暮らし振りに不満を漏らすが、そこにはお金では買うことの出来ない、思いやり一杯の生活があった。

    三丁目では子供が家の手伝いをするのは当たり前。みんなが洗濯や掃除をしている。豊かな暮らしもいいが、それは楽が出来るということ。掃除などをしなくてもいい生活で、その開いた時間に何をするかがとても大切だと思う。三丁目の子供たちにはそんな余裕はない。しかし、裕福で一家がバラバラなことをやっているよりも、ここには確実に家族としての絆が存在する。子供は家の手伝いを通して、家族の一員としての自覚が出てくる。

    最初は嫌がっていた美加も、自分から皿洗いを手伝うようになる。そこでトモエに塗ってもらったハンドクリーム自体はとても冷たくても、本当の母親の温もりを実感出来たことだろう。薬師丸ひろ子は、本当にいいお母さんになってしまった。

    一平の美加に対する関り方もいい。少し笑いも入って一見からかっているように思える態度が、いずれも美加を良い方向へ導いていく。男の子が好きな女の子にいじわるを言ってしまうようなものだろう。三平で謝ったり、女の子に対して汗臭いなどと言い難いことをズバリと言ってしまう子供故の残酷さは否めないが、結果、美加の自尊心を揺さぶり、こちらの思い通りの行動を取ってくれる。

    一平が東京タワーに登るためだと貯めていたお金に使い道がいい。美加の豪華な24色色鉛筆の中身がボロであったこと。その外見と実際置かれている美加の境遇のギャップを見事に表現している小道具だと思う。だからこそ、尚更ラストでの一平のプレゼントが胸を打つ。

    一方、茶川とヒロミの愛情も、お金では買えないものだ。ヒロミは大橋のもとへ行っていれば、まずお金の苦労はなくなるだろう。淳之介にしても、川渕のもとへ行けば、金銭面での心配は無くなる。しかし、敢えて二人は茶川との貧乏暮らしを選択する。お金はあるにこしたことはない。しかし、今の日本人は、この頃に比べてなら、はるかに豊かな生活を送っているが、心が貧しくなったと言われている。

    金持ちの川渕や大橋は、貧乏な茶川に敗れるのだ。お金さえあれば幸せになれるという甘い夢を見て眠っていた、我々をたたき起こしてくれる。確かにもう使い古された、これこそベタなテーマだ。しかし、これを観て多くの人が感動しているところから察するに、我々はこういう人と人の繋がりを求めているに違いない。それぞれの絆が感じられない現代人にとって、やはり、人として、人の心を豊かにしてくれるのは、お金ではなく、人の愛情、温もりだと思っているからに相違ない。

    この時代を知らない若い人達が、この映画を観て懐かしいと感じているらしい。それは人の遺伝子に刻み込まれている、愛情を求める心からくるものではないだろうか。本人たちはそうと知らなくても、親の世代が幸福に感じていたこの古き良き時代の思い出が、子供たちにも伝わっていたのだ。

    夕日は一人で見ても美しいだろう。しかし、同じ幸福感を抱いている家族みんなで見ると、その美しさは増幅する。三丁目の夕日が美しいのは、それを観る観客の心にも、まだまだ美しいものが残っているからだと思う。

    何度観ても素晴らしい映画だ。

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