ブラックブック (2006)
»レビュー
スピーディーなエンターテイメント
2008/07/29
by
牧坂満
映画「ブラックブック」はポール・バーホーベン監督が、20余年ぶりに母国オランダで撮った作品だそうです。因って、映画の舞台はW・W・U中のドイツ軍占領下オランダです。戦争によって翻弄される若く美しいユダヤ人歌手ラヘルを演じるのはカリス・ファン・ハウテンであり、シャロン・ストーンをスターダムに押し上げたバーホーベン監督好みの強さを感じる美女です。物語の殆んどが史実に基づいているようであり、ヒロインのラヘルは、複数の実在する人々の人物像をMIXして創造されたとのことです。
完全な欧州資本の欧州映画でありながら、バーホーベン監督の演出は、ハリウッド作品のエンターテイメントの面白さが詰め込まれています。アレグロな展開、アクションシーンの痛快さ、そして濃厚なSEXシーン。群像を巧妙に絡ませるサスペンスの盛り上げ方もさることながら、繊細かつ微妙な、過酷な運命を辿った波瀾万丈の物語をエンターテイメントに仕上げる手腕はハリウッドで習得した技術の集大成といえるでしょう。
特筆すべきは、ナチスは悪人、レジスタンスは正義の味方といった勧善懲悪な図式に対してアンチテーゼを呈しているところです。…裏を読むと、そこにはアメリカとイラクの関係が浮上してくるのですが、皆様のご感想は如何でしょうか。
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