侠骨一代 (1967) »レビュー

東映任侠映画四大名作

100点 2008/04/12 by 牧坂満

 東映任侠映画(明治時代〜昭和初期)での四大名作の一つです。それは、山下耕作監督の「博奕打ち・総長賭博」、加藤泰監督の「明治侠客伝・三代目襲名」、内田吐夢監督の「人生劇場・飛車角と吉良常」とマキノ雅弘監督による「侠骨一代」です。

 朴訥で直情径行型の港湾労働者の役を高倉健が演じれば、江戸時代の“飯盛り女”つまり、仲居兼娼婦の役を藤純子が情感たっぷりに演じています。

 港湾労働者仲間の一人が娼婦の藤純子をモノにしようとして、アクションを起こすのですが、“凛”とした雰囲気に呑まれてしまい「お高くとまっていやがる」と捨て台詞を吐きます。仲居兼娼婦の藤純子は「お高いわよ」と受け流すのです。周りは「アバズレか」と会話するのですが、この「アバズレ」が伏線となって、ラストシーンでは大いに感動(感涙)させてくれるのです。

 敵対する組織暴力に、輸送用トラックを全焼させられた高倉健(港湾労働者から転身して土木業経営者になっています)は茫然自失となりますが、藤純子は自らを身売りして、大金を健さんに残し、一人、満州大陸行きの船に乗ります。船の汽笛が鳴る中、牛乳を飲みながら、呟きます「私、アバズレじゃないでしょう」。

 エンディングのスクリーンが自分の溢れる涙で見えなくなったのです。

 

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