スパイダーマン3 (2007)
»レビュー
倦怠期のヒーロー
2007/05/03
by
くりふ
既視感ばかりおぼえる展開の、ぶつ切りシーンをバラバラにパッチワークしたような脚本に驚いた。終盤戦に向けてなどは、あまりにスパイディーに都合よくお膳立てされて行くので、これ以上観なくても結末わかるじゃんとさえと思った。そしてツッコミどころは品数豊富だけど、一番はオズボーン家の執事かな。アンタ、そこまでわかってんだったら「2」の時言えよ!! とのけぞってしまった。
…しかし観終わり、物語の外からみたら、結構面白い方角に向かったのかも? と少し、考え直した。
「2」でモラトリアムと決別したピーターが、社会人としてのお悩み領域に入って来ている。トビー自身も30歳を超え、貫禄ある中年大学生としか見えず、もう青年とは呼べない。彼が実社会でヒーロー業を成功させ、愛する人も手に入れたが、そこに安住し既に倦怠期を迎えているところから始まる物語。
ヒーロー業って異常な職業(?)だ。それを維持していくことは常人には計れぬものがあるはずで、彼のような小心者が実社会でヒーロー業を続ければこうなっちゃうんだよ、というある意味悪例を示したのが本作ではなかろうか(笑)。
善悪の基準が、より曖昧になってきたのもポイントだと思った。今回一人の悪役が、ヒーローの抜け殻から生まれたというのが面白い。実社会におけるヒーローのあり方が、全2作に比べ混沌としてきたと感じる。物語にカタルシスをおぼえられなかったのは、そのへんに原因があるようにも思う。
あと、MJを見ていて思ったが、要するにあの娘って『女優バカ』なんだろうね。「私を見て!」というのがまず中心にある女。その性格ゆえ女優を目指すのか、逆なのか。そのへん考えると彼女を理解できそうだけど、めんどくさいからいいや(笑)。日本にも『プッツン女優(死語)』と言われ、自己中心的イメージを持たれた女優さんがいますが、MJもひょっとして、そんなふうに成功できる素養あるかも。
その場でやるべきことを放り出し、『二人のため世界はあるの』とでもいうような自己チューラブを見せつけた結末でしたが、今後もし、大衆娯楽路線の王道から逸脱していくような二人であれば、それはそれで面白いから続編つきあってもいいかな、と思ったのでした。
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