酔いどれ天使<普及版>

『酔いどれ天使<普及版>』を価格比較。★★★★(79点)『酔いどれ天使』に対するみんなのクチコミ情報などもあります。

酔いどれ天使<普及版>
78点
監督 黒澤明
出演 志村喬;三船敏郎;山本礼三郎;千石規子
発売日 2007年12月7日
定価 3,990円(税込)

 

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商品詳細情報

販売元 東宝
発売日 2007年12月7日
リージョン 2
ディスク枚数 1
形式 DVD

関連商品

映画生活ユーザーによる「酔いどれ天使」のレビュー

  • 100点 混沌の中に秩序が萌芽するエンディング

    2008-05-09  by 牧坂満

     終戦直後の東京を舞台に、混沌とした世界に生きながらも、対照的な人生を歩む“やくざ”松永(三船敏郎)と“女学生”(久我美子)を描いた名作であり、後に東映が、医師に同じ志村喬を起用、鶴田浩二のやくざに反する生き方をする少女役に本間千代子をキャスティングした「暴力団」という映画を撮ったほど、衝撃的な映画でした。

     戦後、社会に順応出来ずにアプレゲール(自暴自棄的傾向)に陥る者が多かったのは、同じ黒澤作品の「野良犬」や、深作欣二監督の「仁義なき戦い」でも描かれていますが、黒澤明監督は、やくざ=暴力・否定のメインテーマを重要視、暴力に訴える人間の末路が如何に惨めであるかを描いています。映画画面の中心に居座るような、どぶ池には油が浮き、メタンガスが発生し、生活ごみが投棄されており、画面を見ているだけで、腐臭すら感じさせられます。

     地廻りの顔役だったやくざの松永は肺病を病んで、志村喬扮する飲んだくれの医師の真田に“お前の肺はこの沼みてえなもんだ”と忠告されるのです。そのどぶ池には水死体のように膨張した人形が廃棄されていて、うらぶれた松永の心象風景を見事に表現しています。

     バイオレンスとニヒリズムの魅力をギラギラした野性味で演じる三船敏郎の強烈な個性が、主役である志村喬を圧倒していますが、仁義を信じるやくざ松永に対して、“仁義なんか悪党仲間の安全保障みいたいなもんだ!要は金だ!”と言い聞かせる台詞に、人間観察・批判の凄味すら感じさせ、自嘲するように哀愁を漂わせて笑う酔いどれ医師を演じている志村喬も見事な存在感といえるでしょう。

     「野良犬」でも同じ復員兵でありながら、一方は刑事として、また一方は犯罪者に落ちていく二人を対称的に描いていましたが、「酔いどれ天使」でも、同じ肺病に罹患しながらも真田医師の処方箋を遵守して、病気を克服していく女学生(久我美子)の姿が、混沌の中に秩序が萌芽する意味を表現しており見事なシーンです。本当に強い人間はどちらか!といった黒澤イズムの倫理観が溢れる名画です。

     そして、黒澤イズムと言っていい人間性の回復。ラストシーンで女給役の千石規子がみせた真心や、真田医師と女学生との邂逅には、ヒューマニズムと未来への希望を託して力強く生きていこうとするダイナミズムが感じられるのです。…黒澤明・没後10年、若い世代にこそ観て頂きたい日本映画です。

     【国立近代フィルムセンター】劇場鑑賞
     【銀座並木座】劇場鑑賞
     【DVD・マイコレクション】鑑賞

  • 90点 全ての成功はここから(改訂版)

    2008-04-19  by 夢寝由来

    黒澤映画は“三船に始まり三船に終わる”或いは“医者に始まり医者に終わる”と思います。
    真田先生のキャラは黒澤の尊敬するジョン・フォード監督の「駅馬車」(1939)に登場した飲んだくれのブーン先生が原点にも思える。
    「赤ひげ」の主人公は本作の真田医師を更にパワーアップした感じだ。
    『泥の沼』は松永の肺の状態と当時の社会そのものを象徴している様に思える。
    松永の唐突な暴力はハリウッド製のスラップスティック・コメディのノリでこれが当時大ウケだったのだろうと容易に想像できるしそれが本作を大ヒットさせる原動力にもなっているが松永がヒーローになってしまうと黒澤明の“ヤクザ否定”が成立しなくなるという矛盾を生じてしまう。
    本来の主役である志村喬の真田先生が脇役の扱いになってしまった誤算があるが三船に大飛躍をさせたというメリットを重視して大目に見ましょう。
    クライマックスで兄貴の山本礼三郎を討ちに行った松永が白いペンキまみれの見苦しいく又してもスラップスティック・コメディ調の乱闘を展開するが滑稽な筈のまるでコントのような絵柄が何故か悲しい。
    東宝はその後1956年以降「暗黒街」シリーズをスタートさせるがそれに先鞭をつけた功績も大きい。

  • 90点 スターウォーズの原点はこれかも?

    2002-10-09  by 未登録ユーザ仮名側之丞

    黒澤作品(昭和23年)に初出演の三船敏郎の大ブレイク作。やはり彼は日本が世界に誇る俳優でしょう。繊細さと迫力が混ざった独自の世界がもう出来てる。
    酒好きで正義感の強い主役の医者(志村喬)を完全に食っている。
    それにしても結核がひどくなってからの三船の演技(メーク、カメラの撮り方も)は、ドイツのサイレント映画を見てるみたいに芸術的だった。でもそんな欧州的な場面と、酒場の女(千石規子)に慕われる、ジョン・フォード西部劇みたいな場面と、壺振りやマージャンの日本のやくざな場面がごちゃまぜになった不思議な映画。
    厄病神みたいな山本礼三郎の弾くギターが不吉を掻き立てる。20年前、リバイバルで見た時もその旋律が耳に残っていたっけ。音楽は本当に効果的に使われていた。
    役者も、他に殿山泰司が酒場の親父、木暮実千代が情婦、笠置シズ子がホールの歌手と結構ゴージャス。

    SWだなと思ったのは、三船がルークに、志村喬がベン・ケノービに、山本礼三郎がダース・ベイダーに、さらに中北千枝子(見習い看護婦役)がレイア姫に見えたから。ウソだと思うなら試しに見てね、SWファンの方々。 映画もまさにフォースと暗黒面のぶつかり合いだった。

    蛇足だけど熟年の男が若いやくざ者を助けようとして挫折する話は、アラン・ドロン&ジャン・ギャバンの『暗黒街のふたり』で模倣してたと思う。

  • 60点 小道具には楽しめましたが

    2005-12-29  by 未登録ユーザクロスラン

    後年、莫大な制作費を投入して、
    規格外のスケールをつくりあげた黒澤ですが、
    さすがにこの時代はそうもいかなかったのでしょう。
    そのかわりでもないでしょうが、小道具が実に見事。
    ギター・沼・花・ペンキなど、効果的に使われています。
    ただ、ストーリーや人物設定などには、
    古さと平板さを感じてしまいました。
    「赤ひげ」と、どうしても比べてしまいますからね。

  • 40点 思ったほど良くなかった

    2004-12-03  by 理屈屋

    七人の侍を見て黒澤明さんと三船敏郎さんの素晴らしさを知り、片っ端から見まくりました。
    その中でこの作品だけがパッとしなかったです。
    何て言うか結局なるようななってしまうというか努力が無駄になるとういうか、見ている者の期待が無駄になってしまう感じでした。

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