39-刑法第三十九条-
『39-刑法第三十九条-』を価格比較。★★★★(75点)『39 刑法第三十九条』に対するみんなのクチコミ情報などもあります。
| 監督 | 森田芳光 |
|---|---|
| 出演 | 鈴木京香,堤真一,杉浦直樹,樹木希林,江守徹 |
| 発売日 | 2002年8月25日 |
| 定価 | 3,990円(税込) |
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amazon.co.jpによる解説
猟奇的な夫婦殺害事件が発生し、劇団員の柴田真樹(堤真一)が逮捕される。彼は殺害こそ認めるものの、殺意は否定。殺害当時の記憶はなかったと主張する。そして裁判中、人格が豹変したことから、司法精神鑑定が請求される。
鑑定人・藤代実行(杉浦直樹)は、柴田が犯行時に精神が乖離状態で心神喪失していたと鑑定するが、鑑定助手の小川香深(鈴木京香)は、別の結論を確信し再鑑定に動き出す。多重人格の容疑者と、その精神の奥底に迫る鑑定者。徐々に事件の奥に潜む真実が明らかになっていく…。
『失楽園』以来2年ぶりにメガホンをとった森田芳光監督が、当時の日本映画には珍しい、サイコ・サスペンスというジャンルに真っ正面から挑んだ作品。タイトルの刑法第三十九条とは、心神喪失者の行為は罰せず、心身耗弱者の行為はその刑を軽減するという法律で、容疑者・柴田にこの法を適用するか否かが劇中での焦点となる。 銀残しを使用した映像が終始憂うつな雰囲気を醸し出しており、眼鏡をかけた鈴木京香のナイーブな演技がより不安感を煽る。(斉藤守彦)
商品詳細情報
| 販売元 | バンダイビジュアル |
|---|---|
| 発売日 | 2002年8月25日 |
| リージョン | 2 |
| ディスク枚数 | 1 |
| 形式 | DVD |
関連商品
映画生活ユーザーによる「39 刑法第三十九条」のレビュー
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カント、ヘーゲルをアウフヘーベンする2008-04-15 by
牧坂満
19世紀末のドイツを中心に刑法思想を巡る論争が発生して、各国の学会を二分しました。刑法学は古典学派(旧派)と近代学派(新派)の二大潮流が対峙しています。今日の刑法理論はこの両者の思想から派生されたものでありますが、犯罪は社会や権利に対する侵害に応じて、予め法律で定めた規則によって処罰されるべきであるとした古典学派(旧派)は宗教や王権が法の規定を越えて刑罰に介入することに反対したのです。刑法上の責任は、自由意思によって反道義的行為を行ったことへの道義的批難であるとする意思責任論・道義的責任論を主張します。この立場によれば、自由意思が欠落する者に対しては道義的批難を付与することが出来ませんので、“刑法第39条”を適用するということになります。
森田芳光監督はこの重要課題を近代学派(新派)の法解釈で問題提議してきます。近代学派は社会・経済の急激な変動は、犯罪の増加をもたらし、理性的な人間像を前提に犯罪や刑罰を観念的に唱える古典主義への批判として、実証的方法によって犯罪をとらえて対処しようとする論理です。殺傷行為をおこなう精神障害者にどう対応するか。これは精神医学に突きつけられた最大の課題のひとつです。「刑法39条」は、精神医学が、社会の安全と人々の安心を保障するための技術となるべきであるという視点から論じて、精神鑑定の現状をも理解出来るよう努めたのです。この立場によれば、自己の行為をコントロール出来ない者は、反社会的危険性を持つ者であって、“刑法第39条”を適用すべきではないということになります。
“としぞ”さんがレビューで述べられているように、「刑法39条」に精通して“詐病”を演じる犯罪者がかなりの割合で存在しており、彼らが刑を逃れているのも事実です。映画は、異常を装う犯罪者の方が、まともな人間の感情に突き動かされていて、所謂、世間的にまともであると認識されがちな医者や検察官の方が、病んでいるという人間描写をしています。映画は刑法第39条という思いテーマを真正面から扱っていますので、全体が重く陰鬱に圧し掛かる様に進捗していきますが、これに“銀残し”の技法が生きています。
深作欣二監督も「現代やくざ・人斬り与太」や「仁義なき戦い」で、斬新的なハンディカムによる“ぶん廻し”撮影を仲沢半次郎に提案して成功させましたが、同じ、日本大学・芸術学部の後輩である森田芳光監督もこの作品で実験的技法に挑んでいます。
それは、殺人現場の場面ではスチール写真を撮影するように、1カット・1カットを音と一緒にぶつ切り状態で進行させています。この他にも斬新なカメラワークがいたる場面に登場してきますが、鈴木京香扮する香深に母親から電話がかかってくるシーンは、香深の精神状態を見事に表現していたと思います。ラストシーンの鈴木京香と堤真一の法廷場面のカメラワークは、先輩格の深作欣二監督が生きていたら絶賛したかもしれません。
鈴木京香扮する香深は“カフカ”ですが、実存主義に詳しい方がいらっしゃいましたら、彼女がくぐもった喋り方をするのが、どのようにして“カフカ”に結び付くのかをレクチャー下さい。
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森田監督が、またヤッてくれました。2007-07-26 by
としぞ。
心神喪失者(或いは心神耗弱者)の起こした犯罪の成立・非成立や、精神鑑定の実態、「詐病」に関することなど、刑法39条に準拠した様々な問題点を問うた、という点に於いては評価に値する映画だ。この映画を観た方の何%かにとって刑法39条の何たるかを考える端緒となったとは思う。が、しかし、多くの人たちに対して考えることの呼び水としての役割を果たしたかと言うと、個人的には「否」という印象だ。その大きな原因が、森田監督の演出法だと感じる。
もちろんこれは映画であり、サスペンスとして観ようがミステリーとして観ようが、ある種のホラーとして観ようが、オーディエンスの自由な裁量であるけれど、社会的な意義という側面で考えるなら、刑法39条の解釈はとてもデリケートな問題であり、それをテーマに据えるのであれば、そして、森田監督を始めとする製作サイドが刑法39条に関するそれなりの取材を果たした上で映画化したのであれば、加害者と被害者の関係のみならず、それに関わる検事、裁判官、さらには鑑定医の関係性をもっと明確に観客に提示するべきではなかったか、と思う。
しかし森田監督は、映画的(それは普遍的な意味ではなく、倉島穂高さんが指摘しているような「森田芳光的」な意味での)あろうとする意識が克ち過ぎた演出によって、本来見せるべきであるはずの刑法39条にまつわる様々な事象の関係性を見えにくくさせてしまっている。
森田監督は、「黒い家」「模倣犯」でも、同様の陥穽に落ちている、と個人的には思う。
この映画が作られた1999年のおよそ10年前、宮崎勤による幼女誘拐殺害事件が起きた。昨年1月に最高裁によって控訴が棄却され、宮崎被告の死刑が確定したが、事件発生から死刑確定するまでの間に複数回の精神鑑定が行われ、鑑定人によって「人格障害」「多重人格」「統合失調症」という三通りの結果が提出されて、心神喪失判定に於ける精神鑑定の有効性に疑問が生じたことが一部で話題となった。「精神鑑定」が、ある種の科学的根拠に基づいたものだと思われていたことに対して、同じ検証や実験を複数の専門家が行っても同じ結果が出なかった、つまり、「検証反復可能性」であることが「科学的」であるための要件であるはずなのに「精神鑑定」はそうではなかったことで、その「科学性」に疑義が生じたのである。
おそらく森田監督は、そうしたニュースをきっかけとしてこの映画を製作するに至ったのではないか、そして、刑法39条がいかに危ういものなのかを訴求したかったのではないか、と思うのだけれど、ならば、チンケな作家性など潔く捨てて、語るべきことを語り、見せるべきものを見せることが第一義だったのではなかろうか。
確かに、堤真一、鈴木京香を始めとする役者陣の頑張りは認めるが、この映画で森田監督が何を伝えたかったのかが僕には正直わからなかった。
犯罪白書(平成14年)によると、心神喪失的凶悪殺人者116人のうち、その8割近い90人が不起訴となり、24人が刑の減刑を受けている。その根拠となっているのが精神鑑定による認定であり、刑法39条による法規定である。
不起訴となった8割の中には、刑法39条を知り尽くし、責任能力がありながら心神喪失や映画でも描かれていた「詐病」を演じ、刑を逃れた者もいる。私たちとて、いつ犯罪被害の当事者となり得るかわからない社会状況の中で、39条の理不尽さに悔し涙を流す時がくるかも知れない。
「啓蒙的」であれ、とか「リアルな表現をしろ」というつもりは無いけれど、実は他人事などではない「刑法39条」を取り上げながら、ヘタな作家性を打ち出したいがために本来伝えるべきことに霞をかけてしまった森田演出には、なんだかなー、と思わせられた映画だった。
なお、この映画を観て「刑法39条」の存在意義について疑問が生じた、或いは興味を持たれた方は、日垣隆氏による被害者の視点から刑法39条を考察したノンフィクション「そして殺人者は野に放たれる」を一読することをお勧めします。 -
39条必要??2008-04-12 by
甘党な猫
心神耗弱者の行為はこれを罰せず
心神耗弱者の行為はその刑を減刑す
(刑法第39条)
この作品を見て単純ながら人が人を鑑定・裁く事の危うさ、法の脆弱さを少なくとも感じました。
法の裁きなどに期待もそんなに出来ないのだな・・と落胆することの方が現実は多いのかなと・・。
ストーリー的にも私としてはわかり易いですし、
130分間余裕で見れました。
サスペンス的な要素のあり、構えずとも見れますので一度ご覧になってわ?
但し、一部の人にとってはショックが強い部分があるのでご注意を。。
昨今、NEWSなどよくご覧になっていた人は
大丈夫かもしれませんが・・・(・・A;)汗
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何かを履き違えているとしか思えない2007-04-01 by
倉島穂高
筋書きがそれほど目新しいとは思えない、というのは私にとって必ずしも減点の対象ではありません。それをどう見せるかが肝心だと思っているから。DVDの映像特典の中で森田芳光監督は「パターンにはまった演技」を否定していますが(だからああいう演出にした、と言いたいらしい)、それはパターンをちゃんと踏襲できないヤツが言うことじゃないぞ!!と激しく反発を感じましたね。誰もが知っている筋書きを型どおりの所作と台詞回しで演じながら、演じる役者によって、また同じ役者でも演じる日によって全然違う芝居になる能や歌舞伎などの古典芸能を見よ!
何言ってるのかわからないボソボソとしたしゃべり方(おかげで何度も巻き直さなきゃならなかった)、目の焦点の合わないボーッとした表情、手ぶれのような画面の揺れ、斜めのアングル、アップの顔をぶったぎるトリミング……こんなのがパターンの否定ですか。単に正統派の絵を撮って勝負することができないとしか思えないんですが。「これがリアルな芝居なんだ」とか言われてこんな演出をつけられた役者さんたちはさぞやストレスがたまっただろうな。彼らの実力がもったいない。
シナリオは決して完成度が高くないですが、題材は面白いしいいテーマだと思うんですよ。でもね、これをああいうひねくった手法でしか撮れない監督の腕を私は信用しません。もともと演劇をはじめとする芸術の多くは、まず型(パターン)がありきで、型を踏襲しつつ、その型を超える世界を創出して観る者の心をつかむのがその真髄だと私は思います。森田監督作品を見ても、型をぶちこわす以前の、完成された型そのものがあるようには見えません。
フィルモグラフィーを検索してみて、森田作品を私は『それから』と『模倣犯』とこの『39』しか観ていないことがわかりましたが、はっきり言います。私は大嫌い! 上記の点以外にも嫌いな点がもうひとつ。人間同士の距離感のおかしさです。『模倣犯』のレビューのタイトルを「やたら抱き合う演出は見当違いだ!」としたとおり、あちらの作品では不自然なハグがとても気持ち悪かったのです。それと同じ気持ち悪さを、「ごはんつぶ」のシーンにも感じました。他の場面でも、視線をはずしてばかりいるくせに人物と人物の顔の位置がアメリカ映画なみに近いしね。これのどこがリアルなのかと監督の胸倉つかんで問いただしたい気分。
役者さんたちが気の毒なので0点にはしないでおきますけれど。 -
目が覚めた〜2006-09-19 by
kokoloko
深夜にDVD鑑賞。。眠さに負けるかな・・なんて心配もよそに目が覚めました。。いやあ。。すごい。
洋画『真実の行方』を観た後だから余計にぐっとくるものがありました。
最初は堤真一の行動に疑問ばかりでしたが、納得!私だってそうくるさ〜!(本当か?)
しかし、法律って抜け穴がありますよね。洋画にも二度同じ罪を犯すと罰されない・・という題材のサスペンスありましたよね。あれを思い出しました。 -
なるほど2007-04-15 by
ここ
役者の演技力が素晴らしい。
内容も考えさせられるもので、決して明るい映画ではないが、非常に見ごたえがあった。
批評するとすれば、ところどころ台詞が聞き取れず、巻き戻ししまくった所かな。 -
俳優が魅せる!2005-10-20 by
オーウェン
この映画に対して面白いという感想が適切なのかどうか。内容にのめり込ませるだけのテーマの意義に、外れのない俳優陣の共演と見所は充分。
鈴木京香の精神鑑定に対する思い。唯一の主張部分が少々余計な感じもありますが、女としての隠れた強さが見えるのがとても良い。堤真一の俳優として底知れぬ演技力。ドラマの役とこうも違うとはビックリしました。
江守徹に樹木希林、杉浦直樹のベテラン勢のサポート。岸部一徳の独特な味わいにはやはり存在感がある。笑みを浮かべる顔も圧倒的すぎる!
考えてみれば出ている俳優たちは皆、映画というフィールドで輝きを放っている事が分かる。映画俳優たちのアンサンブルに森田監督の演出も含めて、刑法三十九条に対する真摯なメッセージが伝わってくる。邦画の裁判ものでは間違いなくナンバー1! -
刑法第39条2005-10-04 by
理屈屋
良い映画でした。
残忍な殺人事件が起きて、小劇団の俳優をしている、おとなしそうな男が犯人として逮捕されます。
大した動機がないにも関わらず極めて残酷な手口であったため、弁護士が精神鑑定を要求します。
その結果「彼は多重人格症で責任能力なし」という鑑定がなされます。
刑法第39条、心神喪失により無罪かと思われましたが、その鑑定で助手をつとめた、鈴木京香さん演じる主人公の女医が、この鑑定結果に異を唱え再鑑定という話が持ち上がります。
再鑑定が行われている間に、岸辺一徳さん演じるイヤーな感じだけど意外にも正義派の刑事が、地道に捜査した結果、新たな事実が発覚して事件は意外な方向へ展開します。
被告人は本当に多重人格症なのか?事件の真相は?疑問がだんだん大きくなっていきます。
面白くなるのはこの先なのですが、まさにここからが本当に面白くなるので、敢えてあらすじはここまでにしておきましょう。
「私を刺しなさいッ!」「その人を刺してッ!」「…」
最大の見せ場です。
罪とは何なのか?罰すべき者とはどういう者か?
きっと刑法第39条の意味を考えさせられると思います。
たくさんの人に見て欲しいと思う、非常に良い作品でした。 -
ドラマとしては面白いが・・・2008-08-26 by
ゆうぞら
法廷を舞台としたサスペンスドラマとしてはなかなか面白いです。
夫婦殺し事件の被告人として裁かれる劇団員の男。
常軌を逸した残忍な犯行、存在しない動機、不可解な被告人の行動。
鑑定を依頼された大学教授は、被告人は犯行時心神喪失状態だったと鑑定し、それに対して鑑定助手は・・・。
鈴木京香演じる鑑定助手が、堤真一演じる被告人に体当たりでぶつかっていく様、
徐々に謎が明らかになる過程、緊迫感のある法廷でのやりとりがテンポよく描かれています。
また主役はもちろんのこと、脇役がいい味出してます。
弱気鑑定医、居眠り検事、だめ弁護人、アルカイックスマイル刑事などむだに豪華です。
法廷も(所々古いところはありますが)実際のものを忠実に再現され、違和感なく観られました。
が、この映画は刑法39条への問題提起なのか?
詐病を見抜けない精神鑑定、それを盲信する司法への批判を描いているものと思いきや、
実は少年司法への批判を描いているのではないのですか?
また、鈴木京香が法廷で行ったのは鑑定ではなく心理学的方法を使った××であり、
この映画が精神鑑定を正面から扱っているかも疑問です・・・。
なのになぜ最後の最後で妙な制度批判を繰り広げるかなぁー。
あのシーンは無理矢理すぎて違和感がありまくりで、完全に蛇足(主題なのにね)
という印象しか持てませんでした。
あれで刑法39条への問題提起をしたつもりだなんて・・・としばし呆然。
あと、心理戦を除く他の証拠関係はやけに手抜きだし、被告人の言ってることが本当なら
××××の主張もありうるのにそれについても言及はまったくなし。
心神喪失への話のもっていきかたがどうにも強引すぎる気がしました。
あの事件は、鑑定意見がシビアに争われるようなケースでは本来ない気がするんですけど。
ドラマとしてはまあまあですが、主題と中身の齟齬があるのに、
妙に主題に固執した台詞が気に障ったので、40点の評価です。 -
とても印象に残っています。2005-11-15 by
★北新地蘭子★
劇場にひとりで見に行った記憶があります。
(みんなに「暗っ」って言われた。。。)
日ごろから 精神異常の人が罪を犯した場合に
無実になるって事に 疑問を抱いていました。
それに ピッタシの内容だったんで見たのですが
とても考えさせられました。
堤真一さん演じる犯人を肯定してはいけないけど
否定も出来ません。
でもー。
より面白くしたのは 堤真一さん・鈴木京香さんの
演技力だと思います。
ひとこと「暗っ」で 片付けてしまわずに・・
じっくり見て 内容について考えて欲しい作品です。










