善き人のためのソナタ グランド・エディション【初回限定生産】
『善き人のためのソナタ グランド・エディション【初回限定生産】』を価格比較。★★★★☆(86点)『善き人のためのソナタ』に対するみんなのクチコミ情報などもあります。
| 監督 | フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク |
|---|---|
| 出演 | ウルリッヒ・ミューエ,セバスチャン・コッホ,マルティナ・ゲデック,ウルリッヒ・トゥクール,トーマス・ティーメ |
| 発売日 | 2007年8月3日 |
| 定価 | 7,140円(税込) |
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amazon.co.jpによる解説
アカデミー賞外国語映画賞を受賞、この第一級のサスペンスはベルトリッチの『暗殺の森』やコッポラの『カンバセーション・盗聴』のように、カー・チェイスよりも人間ドラマ志向だ。舞台は東ベルリン、時は1984年。すべては単純な調査の任務から始まる。ゲルド・ヴィースラー大尉(抑えていながら深く感情を込めた演技のウルリッヒ・ミューエ)は国家保安省シュタージの一員。この手の仕事のスペシャリストだ。有名な劇作家ゲオルク・ドライマン(セバスチャン・コッホ、『ブラック・ブック』)とその恋人で女優のクリスタ=マリア・ジーラント(マルティナ・ゲデック、『マーサの幸せレシピ』)を監視することになる。ドライマンはブラックリスト入りしている演出家アルベルト・イェルスカ(フォルカー・クライネル)のような反体制派と関わりがあることで知られているが、記録には傷がない。だが、この実直に見える市民を監視する隠れた動機がヘムプフ大臣(トーマス・ティーメ)にあることがわかり、すべては一変する。すなわち、この監視には個人的な理由があったのだ。こうしてヴィースラーの共感の対象は政府から国民へ――少なくともこの一個人へと移行していく。危険は承知の上で、ヴィースラーは特権的な立場を利用しドライマンの人生を変化させる。ここでヴィースラーがおこなう神のような行動は些細で誰にも知られないものかもしれないが、すべてに大きな影響を与えるかもしれない。ヴィースラー自身に対しても。監督・脚本のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクは単純な設定から始めて、複雑な状況と感情的な関わりへと発展させ、見事な長篇第1作を展開させる。3つのエピローグはどう考えても多すぎるが、『善き人のためのソナタ』は全編にわたって気品があり、混乱のない映画だ。ヒューマンドラマの傑作。(Kathleen C. Fennessy, Amazon.com)
商品詳細情報
| 販売元 | アルバトロス |
|---|---|
| 発売日 | 2007年8月3日 |
| リージョン | 2 |
| ディスク枚数 | 2 |
| 形式 | DVD |
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映画生活ユーザーによる「善き人のためのソナタ」のレビュー
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“落ちこぼれ”官僚のヒューマニズム2008-04-30 by
牧坂満
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督が膨大な文献や資料を渉猟して、東ドイツホーネッカー体制崩壊前夜を秘密警察・諜報機関のシュタージ将校の目と耳を通して描いた傑作です。シュタージは第二次世界大戦終了後に“ワッフェンSS”だったゲシュタポやSDを継承した軍隊式の階級を持った組織であり、非公式の密告者IMを含めて190万人もいて、国内反体制分子を監視・弾圧したのです。映画でも“東西の壁”崩壊後で描かれているように本人に限ってシュタージの犯罪が閲覧出来るようになったのですが、東ドイツ全人口の10%以上がシュタージやIMが占めていた現実は国民たちの家族・親類・友人・知人もそれらに含まれていたことを知ってしまうのです。悲劇は統一後も続いて、家庭崩壊や人間不信、精神病を病む人々も多く発生したのです。
社会主義統一党SEDの独裁体制はジェロントクラシーという老人支配による腐敗が進行しており、気に入った女優を自分の愛人にするために、劇作家と恋人の女優を監視させる不条理な命令をヴィスラー大佐に与えるのです。第二次世界大戦の最強部隊とは、アメリカ軍の将軍、ドイツ軍の将校、日本軍の兵隊と言われたように、ヴィスラー大佐は冷静沈着で徹底した監視・盗聴を実行します。しかし、ヴィスラー大佐はリトアニアに駐在して、ユダヤ人のために二千通を越える日本通過ビザを発給した杉原千畝と同じように官僚としては“落ちこぼれ”だったのです。
映画は徹頭徹尾、感情を抑制して、ベルリンの壁崩壊後も黙々と郵便配達をする東ドイツ時代のエリートだったヴィスラー元・大佐を淡々と描いていますが、旧・東ドイツ国民の姿がダブって想像出来ます。観客の生きる意欲を打ちのめすような絶望的な暗さを与える映画を名画というようですが、黒澤明映画の「羅生門」のラストシーンにあるようなヒューマニズムが、この作品にもあります。人間性への信用・信頼を蘇えらせる名画「善き人のためのソナタ」は、現在でも家庭崩壊や人間不信、精神病を病む旧・東ドイツの人々だけではなく全世界の人々に感動の涙を流させたことでしょう。
【レンタルDVD】鑑賞 -
傑作! 観てよかった。2007-12-01 by
黄金のキツネ
つまらないと思っていた詩や小説を何年かしてから読み返してみると、以前とは違って感動してしまった経験って、案外誰にでもあるんじゃないだろうか。重ねた年数分だけ歩んだ人生によって気づかぬうちに内面的に成長し、その結果が作品の中から新たな意味を見出してしまうんだろう。
ヴィースラーの場合もそれと同じだ。彼がピアノ演奏を聴いたとき、それを感動として受け止められるだけの心の準備がなかったのなら、あの曲は単なる音の連なりとして通り過ぎてしまっただけだろう。
しかしそうではなかった。
女優への憧れから始まり、ヴィースラーが自覚しないままに、心の奥底に蓄積し育っていたものがあったからこそ、ピアノソナタで深く感動するような温かな人間性が現れたのだ。
このヴィースラーの微妙な変化、揺れる心の繊細な描写に魅せられる。そしてその後の彼の行動も危うい綱渡りのようなので、気を許せるところは一切なく、時間経過はまったく気にならなかった。
またヴィースラーを取り巻く人々が、多様で複雑な人間ドラマを実にリアルに演じている。それがとても素晴らしい。後半もかなりサスペンスフルで、とくに拘置所でのヴィースラーと女優とのシーンは圧巻だった。大声も出さず暴力にも訴えないで、よくあれだけ緊張感にあふれる尋問シーンを作り上げたものだと感心してしまう。
連日で2度鑑賞し、2度ともラストでは涙がにじんだ。芸術ももちろん大切だ。その力は十分に分かっているつもりだ。だが温かなコミュニケーションもまた人間には必要なことなのだと、改めてしみじみと思った。
非常に余韻が残る作品で、その後もいろんなシーンを反芻しています。ほんとうに後からじわじわと来る映画です。
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一緒に小さくガッツポーズ2008-01-07 by
もじろ
ガチガチの政府寄りだった主人公が、芸術の力で心が揺らいでいく。
そういう風なあらすじだと聞いていたので、どうせ主人公の心の揺らぎの描写等はありがちな展開で描かれるんだろうとあまり期待せずに観ました。
しかし気付いたら何時の間にか心は主人公に同化しており、小さくガッツポーズとってしまうシーンで完全に一体化してたように思います。
結果的に、女優の取った行動は好ましくは無いなとは思うものの「何故そういう行動に至ってしまったのか」を考えるに、その気持ちも理解できない物ではありませんでした。
それゆえ、クライマックスは悲しかった。でも、あれが最適な落とし所だったのではないかとも思います。
大衆的でない映画によくあるように「これで終わりかな」と思っていたのですが、続くラストが素晴らしかった。あれが無いと尻切れトンボで。
そして最後の最後のあのシーンは本当に良かった。
パンフレットを読んで知りましたが、現在ドイツではかつての東独を懐かしむような回帰現象が起きているそうで。
映画に登場する女優のように、東独で俳優をし、かつての東独を知る方が主人公を演じた事も意義深く思えます。
人間の本質的な問題に対する問題提起のようで、とても素晴らしい映画でした。 -
淡々と生き抜く人生にも一瞬の輝きが2007-12-18 by
星空のマリオネット
静寂が支配する盗聴室。その中でひとり息を殺し、ドライマン(劇作家)と彼の恋人クリスタ(女優)の会話や息遣いに聴き入っている男がいる。彼は国家保安省局員ヴィースラー。
盗聴用のヘッドフォンをつけた彼は、出世など自分の利益のために人を陥れるような人間ではなさそうだ。ただ、社会主義体制にとって危険な人物を監視し排除することが、自分の役目であると信じ自らを律し淡々と生きている。
しかし・・・孤独である。
彼は被盗聴者たちの人間らしい愛や苦悩や勇気に触れ、自らの孤独に初めて気づいたのかもしれない。人と愛し合いたい、ともに生きたいという切実な願いに、彼の行動は監視員のそれを逸脱していく。
女優への愛ある説得が実を結んだ時の彼の喜び。
逆に彼の行動が女優を追い詰めたときの悲しみ。
彼が生きた瞬間。
虐げられても、それを受け入れ文句一つ言わず淡々と仕事をこなし生きている彼。ベルリンの壁崩壊後もその姿は同じである。
彼の思いや行動は誰にも届かず、知られないままで消えてしまうのか!?
ベルリンの壁崩壊前の東ドイツの「監視」社会の実態。腐った権力が人々に盲従を強制する。虎の威を借り他人を不当に支配することを楽しむ卑劣漢たち。
この映画、最初はとても「しん気臭い」という印象でした。
しかし、食堂での冗談?には心底怒りを覚えてしまった。人を弄び萎縮させるひどすぎる言動。いまや懐かしのホーネッカー書記長を茶化した一人の若者へ投げかけられた怖ろし言葉。
批判も前向きの競争も許さない閉塞感に充ちた社会の先にあるのは、停滞と崩壊。
企業でも同じようなリスクはあると思う。官僚的な組織。上だけを見て、仕事が巧くいっているように見せる人々。一方、無視されることで事実上殺されていく人々。
この映画のような救いが、現実社会にあるかどうかはわからない。
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良い、が…2008-02-10 by
ぐず(18)
面白い、と言うと語弊があるなぁ汗
良い映画だと思います。
他の方々が絶賛するとおり素晴らしい。
ただ、DVDのパッケージ裏、説明の書き方が
ちょっと内容にそぐわなすぎる…のと、
性悪説を信じている私としては、あのソナタを聴いた後の、主人公の心変わりの理由付けがやや弱いように感じました。ソナタは綺麗だけどあんま印象に残らないし…汗
単に私の音楽センスが無いせいもあるかもですが
物凄く良い映画ですけど、そのぶん細かい不満が残るのが勿体無い。
いや、めちゃくちゃ良い映画なんですけどね?! -
余韻で泣けたはじめての映画です。2008-01-12 by
kanco
静かな作品です。友達と一緒に見るようなタイプの映画ではなく、一人静かに泣く映画です。けれど、見終わったあと必ず大切な友達に勧めたくなると思います。丹念な取材をもとに旧東ドイツの社会的な背景を見事に描いていますが、これは間違いなく人間ドラマだと思います。評価でもサスペンス的な出来を論じている方がいますが、それは違う。サスペンス的な要素はこの映画ではエッセンスでしかなく、そこにあるのは、愛、言葉、音楽、そして人間そのものです。人間の愚かさ、優しさ、哀しさ、愛しさ、切なさ、すべてが詰まっています。もしこの映画を見てヴィースラーの心情の変化が不自然に感じられたとしたら、それはアナタがあのピアノの旋律を、本気で聴くことが出来なかったのだと思います。あの時ヴィースラーは本気で聴いてしまったのです。ドライマンの弾く「善き人のためのソナタ」を。それはクリスタによって、またドライマンによって知らず知らずにもたらされたヴィスラー自身の変化によって、まるで生まれて初めて心に届いた調べだったのです。素晴らしい脚本、緻密な演出、魅力ある俳優陣、どれをとっても一級品です。音楽はすごい力を持っています。映画もまたすごい力を持っています。こんなにも心が揺さぶられたのは久しぶりです。間違いなく、傑作です。
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凍った心を溶かす音楽2007-02-19 by
りんぼ
ドイツ映画は結構印象的な作品が多い。「グッバイ・レーニン」や「es」など、エンターテイメントと人間描写のバランスが良い、というイメージがあります。この映画もその傾向にあり、エンターテイメントと人間描写が良く、かなり惹きこまれました。
先ず、サスペンスものとしての面白さ。東ドイツの徹底した監視社会で、ぎりぎりの心理戦が小さな部屋の中で繰り広げられる。それと同時進行で、主人公の心が次第に変化していく様子が描かれていく。この両面が密接に関わっているからこそ映画として面白い。
やはり驚くのは政府の国民への監視方法だ。ここまで徹底した監視など、我々にとってみるとフィクションの世界のように感じられる。しかし、あの冷戦の時代はこれが真実だったのだろう。
そして、主人公は典型的な組織の一員だ。まるで機械のように仕事をし、国家そのものに対する信奉が強い。表情も乏しくあまり感情を外側に出さない。それは当時の東ドイツそのもののイメージではないだろうか?
前半の彼の冷徹さが次第に解凍されていくのは、深読みすれば時代の推移と平行線を辿っている。
その心を溶かしたのは当然「善き人のためのソナタ」だが、その大きな要因になったのは間違いなくヒロインの存在だ。彼女こそ主人公を変えるきっかけを作った存在だが、面白いのはそのことにヒロインは全く気付いていないという辺りだ。
監視する側、される側という特種な立場故だが、それでも人は影響し合うという辺りが感動でもある。
このヒロインもまた時代の犠牲者でもあり、加害者でもある。こういう複雑な人間模様がなかなか上手い。
美人は良いことばかりでは無いってことですな。
映画を鑑賞した時にやや疲れていたせいもあって、前半は少々テンションが下がったが、後半は映画に入り込むことが出来た。
やや、テンポに関しては間の取り方が微妙に感じるところもあったのだが、全体を通してみれば調度良かったかもしれない。
とりあえず、自分の見たドイツ映画はあまりはずれが無いので、結構ドイツ映画というだけで面白そうと思ってしまうところもある。まあ、偶然でしょうけれど。 -
「素晴らしい」としか言えないでしょう2008-02-07 by
ウーミン
この映画、あるセリフにこの映画の全てが詰まっていると言っても過言じゃないですね。それが何かは絶対言いませんが、そのお陰もあって実に素晴らしい映画でした。
僕が特筆したい点は、ヴィースラーがエレベーター内である子供とやりとりをするシーンがあるんですが、このシーンはハリウッドだったら絶対泣かそうとしていたでしょうが、意外にサラッと流す感じにしていました。それを感動させようとすればできたと思うんですが、物語としての主軸以外で力を使わない、主人公の描写のみに力を入れている点も好印象でしたね。
しかし、役者は瞬き一つさえも演技だと言いますが、今回の映画で改めて感じました。同じ顔、同じ表情をしていてもある時から明らかに違うって感じましたから。ウルリッヒ・ミューエの演技力にも脱帽です。本当に凄いしか言えません。
やっぱり途中にあれ?って思うシーンがあったりもするんですよ。おまけに終盤に時間の経過が早すぎでこちらが少し取り残された感じもしましたし、普通なら全然たいしたことないんだけど、こんな完成度の高い映画ってのは逆にそういった小さな荒が目立っちゃうから残念です。
主演のウルリッヒ・ミューエ氏も東西ドイツ時代には実際に監視されていたそうです。なんとも因果な話というか、体験が生んだ演技なのかもしれないですね。
終盤がやっぱり響いたので−1点の点数は9点です。
ちなみに、この映画がウルリッヒ・ミューエ氏の遺作となったそうです。謹んでご冥福をお祈りします。
余談ですが、今一番観てみたい映画『ファニーゲーム』にもウルリッヒ・ミューエ氏が出演しているそうで、意外なところに繋がりがあったなぁ…と思ったり。 -
互いの立場「性善説」2008-01-12 by
クラリス2号
昔 昔あるところに・・の話ではありません。
これは、私が生を受けてからのお話です。
東西ドイツのお話。
ベルリンの壁が壊れたニュースもリアルタイムで見ました。
こんなことが本当にあったかどうかは定かではありませんが。似たようなことがあったと信じたい。
互いの立場で、生きていくための方法論であり、主張であり、保身でもある。でも立場などという面倒なものをとっぱらった時、人は互いを思いやり自分に何ができないか考える。そう、「善き人」になれるんでしょうね。この映画のプレビューを見て、感動した方がたくさんいらっしゃることを知り嬉しく思いました。やっぱ、私の「人類皆善き人」という持論、間違ってないじゃん。
(なんだか、最近「性悪説」が横行しているような気がしてたもので・・) -
ひきずります。2008-02-15 by
ローズヒップ
この作品のパッケージ写真ではとても観る気がしなかったのですが皆さんのレビューで心が動きました。(もうちょっと見逃すところでした)
ドイツ映画の特にこの時代(ベルリンの壁の崩壊前後)を扱ったものは本当に興味深いですね。
権力を持った者たちの非道ぶりとか体制下でどう生きるかを迫られる者たちの悲劇をこうして概観できるのは今の時代を生きている私たちの特権かもしれません。
この作品は一人でひっそりと観たい作品ですね。
その後もひきずっていろいろ考えてしまいます。












